【EOPの罠】日本人同士で英語を話す気味悪さと、多国籍バブルのリアル
学校選びの相談で、大人の皆さんから必ず聞かれる2大要望があります。 「EOP(母国語禁止ルール)が徹底されている環境が良い」 「日本人が少なく、多国籍な学校に行きたい」
お気持ちは分かります。しかし、24年間現場の酸いも甘いも見てきた私から、パンフレットの綺麗な宣伝文句に踊らされている皆さんに冷水を浴びせます。 その2つの幻想は、大人の留学において最大の「ストレスの元凶」になります。
1. 幻想その①:「EOP警察」が崩壊した現場の裏話
「EOP完備!」を謳うエージェントは多いですが、私は過去、学校プロデュースの現場でEOPを徹底させる実験をし、そして挫折しました。
フィリピンの公立校を見習い、母国語を話したら罰金を取る「EOP警察」をフィリピン人講師に任せたことがあります。結果はどうだったか? 現場は崩壊しました。 生徒はお金を払っている「お客様」です。年下の講師から注意された生徒は逆ギレし、監視役を任された心優しいフィリピン人講師たちのメンタルが先にやられてしまったのです。結局、人を配置して無理やり英語を喋らせるシステムには限界がありました。
そもそも、1日6〜8時間、逃げ場のない個室で英語を喋り倒した後です。授業が終わった合間くらい、同じように疲労困憊している日本人同志と「今日の先生、スパルタすぎない?」と日本語で笑い合ってホッとさせてくれよ、と思うのが人間の真理です。 そこで無理をして、同国人同士で照れ隠しのように不自然な英語を話し、心の中で「なんだこいつ(笑)」とツッコミを入れる。あんなに気持ちの悪い空間はありません。
学校の中で窮屈なルールに縛られるくらいなら、**「外で会話してこいポリシー」**の方がよっぽどマシです。コンビニの前のプラスチックのテーブルで、近所のおっちゃんや明るい店員に拙い英語で話しかけてみてください。彼らは絶対に笑わずに、最高のノリで応えてくれます。
2. 幻想その②:多国籍=パラダイスではない
昔のセブの語学学校は「90%が韓国人」という時代がありました。実は、文化が似ている彼らと過ごすのは、とても楽だったのです。 しかし今は韓国人が減り、台湾、モンゴル、中東など、まさに人種のるつぼです。
これを「グローバルで最高!」と無邪気に喜ぶのは素人です。 文化の違いと、お互いのブロークンな英語。この「ダブルの壁」を乗り越えてコミュニケーションを取るのは、正直ものすごく面倒くさくて体力を削られます。
しかし、だからこそ面白い。その壁に自ら首を突っ込んで仲良くなれば、将来あなたが世界を旅した時に、世界中に「タダで泊めてくれる家と最高のガイド」ができるチャンスです。面倒くささを楽しむ覚悟があるなら、多国籍環境は最高の武器になります。
3. 日本人同士で群れて何が悪い?「大人の交差点」を愛せ
「日本人とは群れない」と殻に閉じこもる人がいますが、実にもったいない。
春・夏休みの学生シーズンを除けば、今のセブには実に多様な日本人の大人が集まっています。 一度就職して次のステップを狙う社会人、もう一度人生に花を咲かせたい「やり直し女子」、授業を半分にして仕事もこなす「ワーケーション組」。普段の日本社会なら絶対にすれ違わないような、年齢も職種も違う大人たちが「英語」という一つの目標に向けて一致団結しているのです。 この奇跡のような出会いと情報交換は、あなたの人生の選択肢を劇的に広げてくれます。
💡 あっきーからの処方箋:世代間交流のサバイバル術
最後に、このカオスな環境を最大限に楽しむためのコツを伝授します。
- 【おじさん・おばさん世代へ】 若者からすると、皆さんは「うっとうしい存在」になりがちです(笑)。若い子たちと友達になりたければ、自分から下りていくこと。**「自慢しない」「聞かれるまで自分の昔話をしない」**が鉄則です。大人なんだから、彼らの話をゆったり聞いてあげてください。それができれば、あなたの価値観をアップデートする最高のチャンスになります。
- 【若者・学生世代へ】 せっかく「人生の先輩」がウロウロしているんです。就活でも人生でも、どんどん質問をぶつけてください。そして、しっかり話を聞いたら、遠慮なくご飯をおごってもらいましょう(笑)。
国籍比率やEOPといった「表面的な数字やルール」に縛られるのはやめましょう。 あなたがどんな戦友(バッチメイト)と出会い、どんな環境なら泥臭い時間を愛でることができるか。その答えは、私と一緒に探しましょう。
